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低濃度アトロピン点眼とは?


低濃度アトロピン点眼とは?
子どもの近視進行を抑える治療をわかりやすく解説

監修:石田眼科大崎クリニック院長 大野瑞先生

 

治療の目的:近視を治すのではなく、進行をゆるやかにする治療です。

点眼方法:一般的に1日1回、就寝前に点眼します。

大切なこと:定期検査と生活習慣の見直しをあわせて行います。

 

■なぜ子どもの近視進行を抑えることが大切なのか

子どもの近視は、低年齢で始まるほど将来強い近視になりやすいことが知られています。近視が強くなると、将来的に網膜剥離、緑内障、近視性黄斑症などの眼疾患リスクが高まるため、小児期から近視の進行をできるだけゆるやかにすることが大切です。

図1 子どもの近視は、早めの検査と継続管理が大切です

・低年齢で始まる近視ほど進みやすい傾向があります。

・強い近視は将来の眼の病気のリスク上昇と関係します。

・早めの相談が、将来の眼の健康を守る一歩になります。

 

■低濃度アトロピン点眼とは

低濃度アトロピン点眼は、子どもの近視進行をゆるやかにすることを目的とした治療です。通常のアトロピンよりも薄い濃度で使用することで、近視進行抑制効果を期待しながら、まぶしさや手元の見えにくさなどの副作用を抑える工夫がされています。

図2 低濃度アトロピンは、近視を治すのではなく進行を抑える治療です

日本近視学会では、0.01~0.05%の低濃度アトロピン点眼により、開始後1年間で近視進行をおよそ30~70%抑える効果が報告されていると紹介しています。

 

■当院で使用している点眼液について

当院では、近視進行抑制治療に「リジュセア®ミニ点眼液0.025%」を使用しています。リジュセア®ミニ点眼液0.025%は、有効成分としてアトロピン硫酸塩水和物を含む、近視の進行抑制を目的とした点眼薬です。

本剤は、日本で初めて「近視の進行抑制」を効能・効果として承認された点眼剤で、通常は1回1滴、1日1回就寝前に使用します。保存剤を含まない1回使い切りタイプで、1本0.3mLの容器が30本入った製剤です。

・当院使用薬:リジュセア®ミニ点眼液025%

・費用:4,000円(税込)

・使用方法:1日1回、就寝前に点眼

・特徴:防腐剤を含まない1回使い切りタイプ

価格や処方方法の詳細、診察料の取り扱いについては、受診時にご案内いたします。

 

■期待できる効果

低濃度アトロピン点眼は、近視を元に戻す治療ではありませんが、将来強い近視へ進んでいくスピードをゆるやかにすることが期待されます。その結果として、将来的な眼の負担を軽減することにつながります。

・近視の進行をゆるやかにすることを目指す治療です。

・眼鏡やコンタクトレンズが不要になる治療ではありません。

・効果には個人差があるため、定期的な評価が重要です。

 

■どのようなお子さまが相談の対象になるのか

低濃度アトロピン点眼は、近視の発症年齢が早いお子さま、短期間で眼鏡の度数が変わるお子さま、ご家族に近視が強い方がいるお子さまなどで相談されることが多い治療です。実際に治療が適しているかどうかは、視力、屈折検査、必要に応じた眼軸長の確認などを行ったうえで総合的に判断します。

 

■治療の流れ

治療を始める前には、まず正確な近視の評価が必要です。小児はピント調節の影響を受けやすいため、必要に応じて詳しい検査を行い、近視の有無や進行の程度を確認します。

図3 受診から治療開始、その後の定期診察までの流れ

・視力低下や近視が気になったら眼科へ相談

・検査結果をもとに治療適応を判断

・1日1回、就寝前に点眼を開始

・開始後の確認と、3〜6か月ごとの定期診察を継続

 

■副作用と注意点

低濃度アトロピン点眼は比較的副作用が少ないとされていますが、まぶしさ、見え方の変化、かすみ感などがみられることがあります。症状の程度には個人差があるため、気になる変化があれば早めに眼科へご相談ください。

・まぶしさを感じることがあります。

・手元の見え方に変化を感じる場合があります。

・自己判断で中断せず、定期受診を続けることが大切です。

 

■生活習慣の見直しも大切です

近視進行の管理では、点眼治療だけでなく生活習慣の見直しも重要です。屋外で過ごす時間を意識すること、近くを見続ける時間を減らすこと、読書やタブレットとの距離を近づけすぎないことなども、日常の近視管理に役立ちます。

・外で過ごす時間を意識して増やす

・長時間の近業は適度に休憩を入れる

・本や画面との距離を近づけすぎない

 

■よくあるご質問(FAQ)

Q.低濃度アトロピン点眼で近視は治りますか?

A.近視を治す治療ではなく、進行をゆるやかにするための治療です。眼鏡やコンタクトレンズが不要になる治療ではありません。

Q.何歳くらいから相談できますか?

A.年齢だけでなく、近視の程度や進み方を含めて判断します。早い時期から近視が進んでいる場合は、早めの相談がおすすめです。

Q.どのくらいの期間続けますか?

A.治療期間はお子さまの年齢や近視の進み方によって異なります。定期的な診察を行いながら、継続の必要性を確認していきます。

 

■お子さまの近視が気になる方へ

「最近、遠くが見えにくそう」「短い間隔で眼鏡の度数が変わる」など、お子さまの近視が気になる場合は、お早めにご相談ください。当院では、検査結果と生活背景を丁寧に確認したうえで、低濃度アトロピン点眼を含めた近視進行抑制治療をご案内しています。

 

■参考情報

石田眼科 大崎クリニック